誕生日

 もう二十歳手前なのに、履修登録のたびに泣きそうになっている。

 

•二十

 二十歳という年齢は、それより前と後で大きな差がある。一度人生を区切られる。キリストが生まれる。二十歳までの人生がこの先一生続いていくような気がする。本当は誕生日など迎えたくない。誕生日に絶望し始めている。

 

•抱負

 何かを成す、もしくは何も成していない自分を認められるようになる。とりあえず、自分自身の許容範囲を広げないといけない。二十歳になった時に絶望しないような心構えを今のうちに作っておかなければならない。これは抱負ではなく、そうしないととんでもないことになる、いわば義務。

 それはそれとして、実際のところの抱負は「健やかに育つ」ということにしておく。

 

•親戚

 母親の従兄弟に「何歳になったの?」と質問されたため、小学生のように「19歳!」と元気よく答えると、「私の精神年齢と同じくらいかも」と言われた。

 彼女は確か母親の数個下だったはずで、私から見れば圧倒的に大人だ。結婚していて、子供もいて、私にお年玉だってくれる。

 それでも彼女自身の体感としては、「精神年齢19歳くらい」なのだそう。

 16歳が人生の折り返し地点で、歳をとるほど相対的に時間は短く感じるという話は有名だが、40になってもまだ体感19歳ということは……賢い人が計算すれば、体感と実際がどのくらいズレているのか分かるかもしれない。

注釈:彼女の年齢を正確に覚えていない(それどころか母親の年齢も覚えていない)ため、実際彼女は40より下なのかもしれない。そうなのだとしたら申し訳ない。