クリスマスまでの出来事

•12月1日

 学校帰りに下校する子供たちがいた。「どろけいしながら帰ろ!」と横断歩道の向こう側に大声で呼びかけているのを見て羨ましくなった。

 

•12月2日

 図書館で借りた本を読んだ。最初から最後までずっと辛くて休憩しないと見てられなかった。読んだ後も何に思いを馳せればいいのか分からなくて、その物語をどう受け取っていいのか悩んでいた。あと牛乳の賞味期限が切れそうだった。

 

•12月3日

 賞味期限が切れそうな牛乳があったので、今日はシチューを作ろうと思った。スーパーで材料を買って家まで歩いていると、公園で子供たちが遊んでいた。その公園には大きなイチョウの木があって、その下でイチョウの葉を互いにかけあっていた。昔同じ遊びをして肩にシャクトリムシがついたことを思い出した。

 

•12月4日

 ホットケーキを焦がして絶望する。

 

•12月5日

 カラオケ番組に出演する夢を見た。私の歌は20点だった。父親は小馬鹿にしたように笑っていて、妹は慰めてくれた。

 

•12月6日

 ホットケーキを焼いた。本当は森永のふわふわパンケーキミックスを買おうと思っていたけど、結局コスパが一番いいやつを買ってしまった。

 

•12月7日

 やっぱりふわふわパンケーキミックスを諦めきれなかったため、ふわふわパンケーキミックスを買った。早速作ってみたが、本当にふわふわパンケーキだった。 

 

•12月8日

 二度寝して、起きたら忘れてるくらいの夢を見て、うどんを食べて、本を読んで、爪を切った。こんな日が人生であと何回しかないんだろうと考えると憂鬱になる。

 

•12月9日

 今年度初めてマフラーを巻いて外出した。でも、マフラーを巻いている人に一人も遭遇しなかった。マフラーっていつから巻き始めるんだろう。


•12月10日

 ココアを飲む時、飲み口についたココアを毎回ティッシュで拭ってるんだけど、これ多分効率悪いよなと思っている。頭が良かったらいちいちティッシュで飲み口のココアを拭わないでもっとスマートなやり方を思いつくのかな。

 

•12月11日

 テストの後、友達に学割の取り方を教えてもらった。前々から気づいてはいたが、私は一つのことに集中している時人の話を全く聞かなくなるみたいだ。プリンターに番号を入力している時、何か説明された気がした。しかし、もちろん私は聞いていない。無事に学割は取れたけど、あの時なんて言われたんだろう。

 

•12月12日

 今日の一番最後にある予定だった授業が休みになった。この授業、後期が始まってもう三ヶ月経つのに、まだ半分くらいしか開講されてない。自主的にサボっているとかではなく、開講されていない。半分は休講になっている。私が大学を舐めている理由の一端がこの授業です。

 

•12月13日

 「何かをしないと……!」という焦燥感に駆られる。でも何もできなかった。でもダメじゃないと言いたい。

 

•12月14日

 バイト先で一番優しかった先輩が今月でやめるらしく、送別会的な催しがあったらしい。私は行かなかった。先週バイト先のグループLINEで「送別会します。参加する人はメッセージにスタンプを押してね」と言われたが、ギリギリだるいが勝ってしまい、結局私が参加の意を表明することはなかった。でもあの先輩は本当に優しかった。おすすめした本も読んでくれた。やっぱり行った方が良かったかな……と思いながら家でご飯を食べた。

 

•12月15日

 NetflixHUNTER×HUNTERのアニメ第五シーズンを見た。めっちゃ面白かった。HUNTER×HUNTERって決まりきった勝ちがないところがかっこいいなと思った。

 

•12月16日

 ホットケーキを作った。確実にホットケーキを焼くのがうまくなっていっている。

 

•12月17日

 今日もホットケーキを作った。材料をちゃんと測らず、目分量で適当に入れているため、常に同じクオリティのものを作れない。昨日の方が上手くできた。

 

•12月18日

 お昼くらいに起きて、一番嫌な感じの授業だけ受けて、多くの嘘をついた。最悪の日。一人暮らしを始めてから誰かに責められることがなくなったからか、罪悪感をどうやって解消していいかわからない。その罪悪感から連鎖的に自分が何も成せてないことを実感して悲しくなるけど、とりあえずシチューを作って全部誤魔化した。

 

•12月19日

 授業でやってきた課題の発表があったんだけど、みんな思ったよりやる気なくてありえないくらいカスの発表をしてたのに先生は平然としてて「これでいいの!?!?私夜中まで頑張ったのに!」と思ってしまった。ほぼ一夜漬けの時点で私も似たようなものだけど、でも頑張ったのに!!!!

 

•12月20日

 DARSのホワイトチョコって生クリームみたいな味するんだね。おいしい。

 

•12月21日

 学食で方言について話すも盛り上がらない。

 

•12月22日

 一歩も外に出ずにDr.STONEを見た。めっちゃ面白かった。あとはホットケーキを作った。今日のはかなり上手い。このホットケーキの上で寝てもいいくらいふかふかだった。

 

•12月23日

 今日も自宅から一歩も出ずにホットケーキを作った。食べながらラブライブ!初代のファイナルライブ映像を見て泣いた。情緒大丈夫か。ただ一つ言いたいのはSnow halationは最高。「届けて切なさには名前をつけようかSnow halation」!?!?おいおい、この歌詞素晴らしすぎやしないか?切なさを雪に光が反射して眩しいことになぞらえるんですか!?切なさすらも眩しいって確かにそれが恋ですよね!?純情ですよね!!これ、作中では高校生が書いたってことになってるんだぜ!?高校生の感性で確かに恋ってそのくらい眩しいかもな!この歌詞の良さは永遠に噛み締められる。この歌詞を胸にしまっておくだけで世界は輝きます。

それでいうと同じく初代ラブライブのユニット、PrintempsのLove marginalという曲で「あの娘が話すあなたの癖を知ってる事がつらい」という歌詞があるんだけど、この歌詞もマジで傑作。叶わない恋あるあるというか、細やかなエピソードでその心情の深さを伝えるタイプの歌詞はしばしば見かけるけど、この歌詞はエピソードもさることながら、たった一文で三角関係が見えてきてその心情の複雑さが知れるんですよね。癖を知っているほどよく見てた相手のことを別の人が語ってて、でも「あの娘が話していた」ことが辛いんじゃないんだよな、「癖を知ってる」ことが辛いんだよな!恋心への後悔までこの一文で表現できるのはもう天才としかいいようがない。傑作すぎる。

 

•12月24日

 今日もホットケーキを作った。そこそこの出来。

 あと、今日は買い物に出かけた。帰り道に通りかかった公園で、子供とその母親が遊んでいた。子供は三輪車に乗っていて、母親の方はそれを追いかけるという遊びだろう。子供が漕ぐ三輪車の後を母親が走っていた。すると、何かの拍子に子供がポケットにしまっていた手袋を落とした。母親はそれを拾う。その隙に子供の三輪車は母親からかなり距離をあけ、母親が顔を上げた時には数メートルの距離があった。すると母親が「チッ、遅れをとった!」と言いながら再び追いかけていて、それがすごく面白かった。それ以外は何もない日だった。それが良かった。

 

•12月25日

 授業の予習を忘れてて教授に「予習してこなかった人は幸せな人ですね〜」って言われたけど、Dr.STONE徹夜で見て予習の存在を忘れてただけだった。幸せではあると思う。